薄暗い室内である。
閉て切られている木掣の明り取りの窓。その隙間から差し込む日の光、風に含まれているさまざまな匂い。それらだけが、それが、時の流れを感じることができるすべてだった。
その一 若槻都斎輝
それは、オレが十四の、まだ春には早い冬のことだった。
「……では、頼みましたよ。若槻どの」
そう言って、ここの城主の小姓頭が、オレを残して、去ってゆく。
たしか柏木とかいったよなぁ――などと後姿を見送っていたオレに、どうぞ――と、天守の番人が言った。
戸を開いた番人に、暗いからなぁと言うのも恥ずかしいから、しぶしぶと天守の一層目に、オレは足を踏み入れたのだ。
オレがここの城主の人質になって、家族の元を離れてから、既に一月が過ぎていた。
のっぺりとした優男――城主の久住義時(くすみよしとき)に対する印象は、それだった。到底、近隣諸国の城主の心胆を寒からしめている戦上手とは思えない。それでも、ここ数年で彼の領地は倍になった。次は、自分の国の番か――そう怯えている城主がどれくらいいるか、わからない。オレの叔父も、そのひとりだった。そうして、オレが、友好の証として、ここにいる。
久住の城主は竜を飼っている。
それは、久住義時が城主になってこのかた連戦連勝を誇っているから、その強さに対する周囲の評価だった。あんな優男に――などという、他国の城主たちの歯軋りの痕でもある。
久住義時は、かつては、成人することすら難しいと噂されるほどに病弱の嫡子だったらしい。それが、無事成人し、跡を取った途端、鬼神もかくやといわんばかりの、戦の冴えである。もうこれは、人だけで為せることではない。ならば、なにかが味方についたのだろう。―――そう思いたいのはひとの世の常か。
義時が成人する数年前に、妾腹の兄が彼を亡きものにしようとしたという事件があった。
その前に、やはり竜を飼っていると噂されていた大名家から、竜が盗み出されたという噂がたったらしい。
竜がいるかどうかは知らない。
ただ、その後、その大名家はたちまちのうちに家運が衰え滅び去った。
代わりのように覇王と呼ばれるようになったのが、久住家を継いだ義時だとあっては、数年後のこととはいえ関連づけるものがいたとしてもおかしくはないのだろう。
義時は、竜を盗み、そうして、覇王となったのだ―――――――と。
まさか、その真偽のほどを目の当たりにすることになるだなんて、オレは、一度も考えたことはなかった。
久住の城に厄介になって一月ほどの新参者に、そんな、城主の秘密を明かすようなことをするはずがない。――それとも、彼らにとって、オレは、人質の価値もないのだろうか。
まぁ、若槻といえば、そんなにでかい領地はないが、それなりに内実は豊かだったりする。
いずれ殺すのだから、秘密の漏れる気づかいもない――などと、考えていやしないか?
オレは、臓腑をちろちろと燠火(おきび)であぶられているような不安を抱えたまま、天守最上層へと、急な階段を上ったのだった。
蝋燭の明かりだけでは、段の間がやけに開いている階(きざはし)は上りにくい。が、下手をして、その明かりを消してしまうわけにもゆかず、オレは、注意深く、天守の頂上を目差した。
やがて、階のついえている階層にまで上り詰めた。
どうやら、天井に、戸があるらしい。
落とし戸だろうそれを下側から押し上げ、オレは最上階にたどり着いた。
暗い。
むっとするような、閉て切られている空間に独特の匂いが鼻を刺す。
考えないようにしていたが、ここには、竜が飼われているのだ。
オレは、その番人として、ここで暮らさなければならない。オレの前に番人だったものの道具が一式残してあるから、それを使うようにと、小姓頭――柏木は言っていた。
他人のお下がりか―――ま、いいけどさ。
深く考えることをやめて、オレは、落とし戸を開けたままで、明り取りの窓を探した。開けておかないと、蝋燭の火だけでは、空間は漆黒で、何がなんだか、わからなかったのだ。ぼんやりとした四角い井戸からあふれる明かりのような落とし戸からの明かりをたよりに、オレは、どうにか、明り取りの窓を探し出して開いた。
途端差し込むのは、冬の名残の冷気と陽光だ。
目が突然の陽射しに慣れるまで、しばらくかかった。
明り取りの窓をすべて開き、俺は、蝋燭を吹き消したのだった。
そうして、真四角な、空間を、見渡した。
部屋の広さは二十畳ほどか。オレが今いる場所からは、色あせた衝立に仕切られた、どうやら前の番人が使っていたらしい道具がまとめられている場所が見える。あれが、これからオレが寝起きする場所ということだ。
そうして、衝立の向こう側に、オレが見張り世話しなければならない、幻の竜が囚われている。
すぐに逃げられるように、入り口を閉めるのはやめた。いくらオレが鈍いとは言え、生命の危機に瀕すれば、逃げ足は、速いだろう。そうであると思いたい。
益体もないことを考えながら、オレは恐る恐る衝立の向こう側を覗き込んだのだ。
高めの位置にある明り取りの窓から、陽光が差し込む。
細かな埃がきらきらときらめくその中に、それは、横たわっていた。
これが、オレの世話し見張る、竜か―――。
オレは、その傍らに肩膝を突いて座り、つくづくと見下ろした。
まさか、ひとの姿をしているとは、思いもしなかった。それが、正直な感想だ。
そう。竜というからには、長い蛇のようなもの、もしくは、でかい蜥蜴のようなもの――だとばかり思っていた。
それは、胎児のように丸くなって眠っていた。
とろりと長い黒髪が、横を向いたその白い顔を隠している。
細い首。薄く綿の入っている着物を肩までかけて、その下で丸くなっている。首から肩、背中、腰、足―――その盛り上がりに、不自然なところは、見当たらない。
少しも、人間と変わることはない。
ただオレがギョッとなったのは、胸元で交差させられていた細い両手が、不釣合いなほどごつい鋼の枷に繋がれていたからだ。長い鎖が、その壁の両側に設けられている同じ素材らしい輪っかに通っていて、どうやら足首からも同じように枷から伸びた鎖が通されているようだった。そうして、その鎖の長さは、途中で調節されていた。
(これじゃあ立ち上がるのがやっとじゃないか?)
酷いと、思った。
自由に動かれては迷惑だと言わんばかりに、鎖はそのほとんどの長さを、ぎちぎちに縮めて束ねられていたのだ。
はじめて見た竜と呼ばれるこの、ひとと少しも変わりなく見える存在に、オレはいつしか憐憫を覚えていた。
いくら、城主のものだとはいえ、これは生きている。
こんな、身動きもままならないように鎖に繋いで閉じ込めて………、オレだったら、きっと、死ぬほど暴れて、それでも逃げられないと知れば、絶望に気が狂ってしまうだろう。
(可哀想に………)
それは、何気ない行動だった。
オレは、気がつけば、竜の頬にかかっている長い髪を梳きあげていたのだ。
通った鼻筋、青ざめるほど白い肌に印象的な、血玉と呼ばれる珊瑚を彷彿とする、赤い、くちびる。
「あ……」
長い睫が、かすかに震えたような気がして、オレは、手を、引っ込めた。
うっすらともたげられた瞼の下から現れたのは、丸く打ち固めた黄金のような、虹彩(こうさい)だった。
ひとじゃない――異質な存在なのだと、本能が、告げる。
背中に、ぷつぷつと、粟が立つ。
どれだけの間、オレは、それを、見つづけていたのだろう。
時間の感覚が、狂っていた。とてつもなく短い時間だったのに違いないのだが、同じく、気が遠くなるくらい長い時間のようにも感じられた。
何が?
印象的な一対の瞳が、再び密な睫の影に隠されるまでの間が―――だ。
ぐらぐらと、足元が揺れるような錯覚にとらわれ、オレは、いつしか、意識を飛ばしていたのである。
「!」
気がついたとき、天守は、たそがれ間近の朱に染まっていた。
結局、意識を飛ばしたまま、何刻も眠ってしまったらしい。
寝起きだというのに、なぜだか、寒くなかった。それどころかあたたかさまで感じたオレは、どうしてだろうと確認して、自分の目を疑った。
オレは――オレは、竜の腹の上に掻き抱かれるようにくるまれて眠っていたのだ。
初めて触れたときひんやりと低かった竜の体温が、嘘のように、上昇している。
竜の腹が心地好い上下動を繰り返す。
着物を隔てて触れ合っているからだから、ゆるやかな鼓動までもが伝わってきていた。
(うわ……)
純粋な、驚愕だった。
見知らぬものに抱きかかえられて眠っていれば、気づいたときにびっくりするだろう。
それくらいの、驚きに過ぎなかった。
床に手をつき、オレは上半身を持ち上げた。
するり――と、力なく竜の手が背中から滑り落ち、ガチャリと耳障りな音を響かせた。
竜が目覚める。
とっさに目をつむったが、そんな気配は微塵もなく、オレは、竜を起こさないように、そっと静かに、起き上がった。
いつの間にか、息を詰めていたらしい。
深い溜息が、肺腑から押し出された。と同時に、オレの腹が盛大に空腹を訴えた。
「やばい。飯食いっぱぐれる」
オレは、慌てて、天守の最上階から、飛び出したのである。
こうして、オレの竜の番人としての毎日が始まったのだ。
竜の世話は、そんなに難しいものじゃない。
朝になれば竜の身なりを整え、時分時分が来れば飯を食わせ、片付ける。そうして、夜が来れば、とりあえず、掻い巻き(かいまき)を着せ掛けるのだ。
今はまだ薄く綿が入っているが、季節に合わせて軽くて薄いものに替えるのだろう。
何に一番驚いたって、竜の食べる飯だ。
竜というからには、肉を食べると想像するだろう。
しかし、違った。
この竜は、清水と蜂蜜だけを口にするのだ。
うっすらと開いたくちびるの中に、そっと水や蜂蜜を流し込む。そんな時、オレの胸は、びっくりするくらいドキドキと、早鐘のように鳴るのだった。
この竜は、雄だというのにである。
オレっておかしいのか? と、思わないでもなかったが、まぁ、綺麗なものに接する時というのは緊張するからしかたがないと、オレは、オレなりに納得していたのだった。
三日もせずに、オレは、竜に馴染んでしまっていた。
竜はいつもうつらうつらと眠っているようなものなので、だからかもしれない。
どこにも、危険はないのだ。
最初の日に見た、瞳の色だけの、たったそれだけの違い。
恐れることは、なにもなかった。
愛着さえ、湧いていた。
だから、つい、竜の縛めに手が伸びる。疾うに、竜がここを自由に動けるくらいには、鎖の長さをぎりぎりの長さに調節していた紐を解いてしまっている。
「う〜ん。特殊な鍵かも」
たしか、蝋だか粘土だかで鍵の型を取って、それで、合鍵を作る方法があったはずだ。
竜の白く細い手首や足首を縛めている、はっきり行って無粋極まりない黒い枷。その鍵を手に入れて、縛めを解いてやりたかった。
それからどうするという算段はない。
ただ、あまりに重く厳しいそれを、外してやりたいという、たったそれだけのことに過ぎない。
城主からの解放とか、オレのものにしたいとか、そんなご大層な考えがあったわけじゃない。
ただ、もう、可哀想でならなかったのだ。
どうせいつも眠っているのだ。外したところで、逃げる危険はないのに違いない。
まだオレは、竜がここに飼われている真の理由など知ってはいなかったのだ。
その夜は、とても、冷え込んだ。
だから、オレは、竜を抱え込んで、眠った。
いくら竜とはいえ、物も食えば息もしている。
寒いのも暑いのも、感じるだろうと、そう、思ったからだ。
オレの掻い巻きを引きずり、竜を抱えて、頭から被った。
それがよかったのか、悪かったのか。
結果として、竜は、目覚めてしまったのだ。
誰かに髪を梳かれているような心地好さに惹かれて、オレは、目が覚めた。
目の前に、金の色。
(へ?)
しばらく、それが何か、わからなかった。
理解した途端、オレは飛び起き、そうして、したたかに腰を打った。
「ってぇ……」
腰をさすりさすり、立ち上がる。
乱れた前髪の隙間から、こちらを見上げている、金色のまなざし。
それを認めて、オレの鼓動が、跳ね上がった。
「よお。目が覚めたんだな」
しゃがみこみ、怯えさせないようにそっと伸ばした手で、前髪を掻きあげた。
「飯食ったら、髪切ろうな。起きれるか?」
ニッと目を覗き込むと、かすかに眇めるだけでオレから視線を外しはしない。
「…………」
口を開くが、音にならない。
「ず〜っと寝てたんだから、喋れなくてもしかたないな。ほら、手、こっちに」
鎖と枷の重みに小刻みに震えながらも、竜は手をオレの肩に回した。
よく考えると、これって竜に首絞められても怒れない体勢かもしれない――そんなことがちらりと頭の隅を掠めたが、まいいかと、オレはしばらく竜がどう動くか観察した。
オレの首を絞める気配はない。
「よっと」
オレは、竜の両脇に手を入れて、竜の上半身を壁に背凭れかけるように起こしたのだ。
壷からさじで掬い取った蜂蜜が、皿の上でとろりとした波形を描く。水がめから椀に清水を汲み、それらを盆に載せた。
「さじ、持てるか?」
伸ばされる指の心もとなさに、言ったほうのオレが焦れた。
「わかった。口、開けてな。食わしてやるから」
意識のある相手を起こして食べさせるほうが、膝の上に頭を乗せて食べさせるよりも、やりやすいのには違いない。
小鳥の雛の餌付けのように、オレは、竜に飯を食わせた。
そうして、少しずつ、竜は、オレに馴染んだのだ。
そんな、ある夜だった。
何の前触れもなく、この部屋唯一の出入り口である落とし戸が下側から押し開けられた。
現れたのは、柏木だった。
まだ、オレも竜も起きていた。
明り取りから差し込む月の光が、蝋燭の必要がないほど、部屋を照らしていた。
驚いたオレが何を言うまでもなく、
「殿のおなりである」
と、柏木が告げた。
途端、オレは、竜の顔が強張りつくのを、見た――と、思った。
「ここでの一部始終は、言うまでもないが他言無用」
隅に控えたオレは、現れた、城主の変わりざまに唖然となった。
もともとそう頑健そうには見えないひとだったが、やつれたように感じられた。
柏木のかざす手燭の揺れる明かりに照らし出された殿の顔は、頬がげっそりとこけ眉間に刻まれた皺の深さが哀れげにさえ見える。
いったい、城主になにがあったのか。
ぼんやりと見守っている視線の先で、柏木が、静かに手燭を床に置いた。
そうして、
「やめろっ」
止めにはいったオレを、柏木が力まかせに振り払った。
ドン――と、したたかに壁に全身をぶち当て、オレはしばらく脳震盪で動けなかったらしい。
オレが気づいたとき、いまだ満足に動くことができずにいる竜は背後から柏木に抱え込まれ、着物の襟を大きく開かれていた。
そうして、城主が、その首筋に吸いついたのだ。
なにが起きているのか。
理解するのと納得するのとは、別のことだ。
カチャカチャと、竜の枷が鎖が、悲痛な音をたてる。
あいまあいまに、ぴちゃりと、城主が舌なめずりをする音が混じり、オレは、どうしようもなく、ただ、顔を背けようとした。
竜の青ざめた顔が、少しだけ、オレに笑顔らしきものを向けてくれるようになっている竜の金のまなざしが、苦痛に、嫌悪に、眇められ、オレの目を捕らえた。
――――
音にならない声で、竜は何かを、オレに伝えようとしていた。
やがて、城主は、竜の血に満足したらしい。
口元から喉にかけてを真っ赤に染めて、竜を手放した。
柏木が、慌てて、懐から取り出した布で、竜の首筋と、城主を濡らす血を拭い取った。
そうして、手燭を取り上げると、ふたりは、無言のまま、天主を後にしたのである。
「だいじょーぶかっ」
しばらく呆けていたオレだったが、カチャリという鎖の音に、我に返った。
慌てて竜の元に駆け寄ると、竜は、くったりと意識をなくして横たわっていた。
荒い息が、その疲労を伝える。
「ちょっと待ってろ」
オレは、水を汲んだ。
「ほら」
椀を口元に持ってゆくが、竜は、口を開こうとはしない。
「頼むから飲んでくれ」
かたくなに閉ざした口に、オレは、不安と焦りを感じた。そうして、オレは、水を口に含み、そうして、竜の口に直接流し込んだのだった。
オレは眠れなかった。
竜が、震えている。
あれから――城主に血を啜られてから、結局、竜の意識は戻らないままだ。
青ざめた横顔が、夜の闇の中でもうっすらと浮かんで見えた。
脂汗で頬に首に貼りついた、オレが切ったせいで不揃いな髪を、梳き上げる。
汗を、手ぬぐいで拭ってやる。
竜の首筋に、城主に食い破られた傷口は、既に見えなくなっていた。
あれからいくらも経っていないのに、傷口は、ふさがっているのだ。
竜を飼っている。だから、負け知らずなのだ。
そう、伯父は、久住の城主のことをオレに話して聞かせた。
オレがこの地へ人質に来る前のことだ。
けれど、竜を飼っているから、強いわけではないのだろう。
おそらくは、竜は、言われているような久住の守り神ではない。
竜がここにいる真の理由を、オレは、多分、知ってしまったのだろう。
オレは、見ていたのだ。
竜の血を滴らせながら顔を上げた城主の顔は、いつものとおりのっぺりと整っていた。まるでここに来たときのやつれぐあいが嘘のように。
竜は、血を啜られるためだけに、ここに、繋がれているのだ。
家畜となんら変わらない。
ゾクリ―――と、オレの背中が、逆毛立った。
(寒い………)
そう思って、竜の首が隠れるほど掻い撒きを引き上げ、オレは、そっと、竜を抱きしめた。
目の前には、金のまなざし。
オレは、飛び起きた。
竜は穏やかな顔で、オレを眺めていた。
まるで、昨夜の出来事が、悪夢の中のことのような錯覚を覚えた。
が、それは、違う。
あれは、本当のことだった。
竜は、確かに、城主に、血を啜られていたのだ。
明り取りの窓を開けながら、オレは、頭を振った。
「竜………」
飯を食わせながら、オレは、話しかけた。
「大丈夫か?」
金の目が、大きく見開かれた。次の瞬間、竜は、花開くように笑った。
大丈夫だというように首を振る。
昨夜城主に喰らいつかれた箇所を示して、頷く。
しかし、確かに、昨夜、竜は、怯えていた。
恐くないはずがない。
(逃がしてやりたい………。しかし、それは、おそらくオレの一族の滅亡を意味する)
「ごめん。ごめんな………」
きょとんと首をかしげる竜に、オレは、ただ、謝ることばしかもっていなかったのだ。